2022-03-04
2020年12月の発表によると、YouTubeの国内利用は、月間 6,500 万人以上となり「飛躍的な伸び」とされています。コロナ禍もあって、自宅でネットメディアに触れる機会が増えたという背景もありますが、スマホやパソコンだけでなく、テレビでの視聴も二倍以上に伸びたとあります。スマホやパソコンと違い、テレビ視聴の場合、家族や友人といった複数人でYouTubeが視聴されているといいます。これは、テレビ番組を家族で楽しむ感覚と似ています。
YouTubeを傘下に持つ Googleは、自社オウンドメディア 「Think with Google について 」で、「YouTube は動画を見るだけではなく、日々の生活や関心のある話題に対してポジティブに働きかける場所としても使われているようです。」と書いています。YouTubeは、ただの動画サイトではなく、従来のテレビメディアのような、またはそれを越える、日々の生活になくてはならない情報源であり、社会的なメディアになりつつあると思います。
テレビで有名なタレントや著名人が、「ユーチューバー」デビューして、人気をさらっているといった情報や、大規模なライブできないミュージシャンやアーティストが、YouTubeで音楽活動を始めたなど、身近な存在にも見えてくる場としても、ネットメディアの新たな認知も広がりました。企業側からしますと、YouTube上の動画を使ったプロモーションが、家庭のリビングルームに届けられる環境が整ってきたといえます。上記の調査によると、視聴された動画カテゴリー別にみると、自宅エクササイズや家庭菜園、レシピといった、ハウツー系のものが伸びたそうです。外出自粛もあって、自宅で何かやってみようとする際、YouTubeの投稿動画を参考にする視聴者が増えたようです。お子さんの宿題や自宅のリフォームなど、ちょっとYouTubeで検索してようなんてこと、お心当たりがある方も多いとお察しします。
企業利用では、飲食関係のメーカーさんなどが、自社のYouTubeチャンネルを開設して、自社製品をプロモートしている「自宅でできるレシピ動画」などもよく見られています。また、企業のウェブサイトでも動画が埋め込まれているページを見かけますが、動画本体は、YouTubeに置いて配信しているケースがほとんどです。
具体的に、企業のYouTube利用はどのようなものが考えられるでしょう。動画は、文字や写真だけでは伝えきれない圧倒的な情報量をもち、さらに、音楽やナレーションの演出によって、より印象深く記憶に残るメッセージとして成立します。
中でも、商品やサービスのプロモーションや会社案内などのブランディング用途がメインですが、これまで、当社にご注文のあった動画制作の用途を中心にご紹介させていただきます。
ターゲットの心に残る自社のコマーシャル映像を制作してYouTubeに掲載します。YouTube内で視聴者が見たい動画のキーワードやジャンルで検索したときに、商品やサービスの動画にヒットさせることをねらいます。多くのユーザーが、無数の動画の中から、貴社の動画を見つけやすい仕組みが用意されており、前述の通り、掲載のためのコストはかからないYouTubeは、セグメント化されたターゲットに向けて動画の内容を訴求でき、プロモーション施策として費用対効果の高い、プロモーションメディアです。ご注意いただきたいポイントとして、配信する動画の内容が、商品をプロモートすることに加えて、視聴者の役に立つ情報にまとまっていないと、最後まで動画をみてもらえないので、そこは動画作りで工夫しましょう。
貴社の会社案内や、生産拠点や設備の動画をYouTubeに掲載します。事業内容や設備など、競合にない強みや特徴を映像で訴求することで、広く貴社ブランディングを行う上で有効な施策です。コロナ禍で、来社や工場案内ができない状況下で、YouTube上での会社案内、工場案内を配信することでオンライン型会社案内を実現できます。コーポレートサイトなどのウェブサイトに埋め込むことで、ウェブページをリッチ化する用途にもよく利用されています。
例えば組み立て家具などの製品の組み立て方、また、レシピなどの調理方法や商品の効果を最大限に引き出す機能の使い方などを、撮影した動画をYouTubeにアップロードします。ECシステムの仕様にもよりますが、自社のオンラインショップにYouTube動画を埋め込み、商品詳細ページにその商品の詳しい解説を動画で掲載することで、購買動機を高める効果を見込めます。また、商品のパッケージなどにQRコードで、YouTube上のアドレスを印刷しておけば、動画によるマニュアルも実現可能。あえて印刷物が減る提案となりますが、紙の取説が不要ですね。
YouTubeでは、収録スタジオや機材などがあれば、ライブ配信もできます。コロナ禍で、オンラインのライブ中継イベントやオンライン株主総会などの開催を耳にするようになりました。実際にご参加された体験のある方も多いのではないかと存じます。こういったライブ配信では、自社の事業責任者さまや製品開発者さまや営業の方が、同時に多くの見込み客や販売代理店の方にご自身の言葉で語りかけることができます。また、YouTubeのコメント機能を使うことで、その場で質疑の受付と回答もできますので、視聴者にとっては、気軽に説明を聞ける機会となります。
ビジネス用途では、見込み客獲得のためのウェビナーや金融商品のセミナー、販売代理店向け商品販売説明会など、これまで集会で行っていた、セミナーや講習会、説明会などへの用途が進んでいます。
YouTubeでは、動画の配信ターゲットをセグメントすることができます。特定の商品やカテゴリーに特化したチャンネルを複数運営していくことで、しっかりとしたブランディングができるとよいでしょう。ここからは、YouTubeを使った動画配信の具体的な方法をご案内します。
YouTubeの動画配信は、自社の「チャンネル」を開設・運営します。チャンネルとは、YouTube内で設定できる自社の動画コンテンツをまとめたページで、いわば、動画のCMS(コンテンツマネジメントシステム)です。オリジナルのカバー画像やアイコンの設定もできるので、チャンネルを使って自社のブランディングが実現でき、自社で登録さえできれば、無料で作成できます。
自社のチャンネルを「チャンネル登録」してもらうことで、チャンネル内の別の動画への誘導や新しい動画をアップロードしたことを通知することができます。YouTubeは、動画のレビューといったSNSとして機能も装備しています。自社のチャンネルを通じて、自社のファンを作っていくことがYouTube活用の成功への道筋です。チャンネル登録した視聴者は、YouTubeアプリを通じて、お気に入りのブランドやお役立ち動画の最新情報と受け取ることができます。情報を探す手間が省ける利便性を提供しつつ、リッチな動画コンテンツによるコミュニケーションを継続して、自社のファン作りをしていきましょう。
YouTubeのチャンネル開設には、Googleアカウントが必要です。チャンネル開設にあたっておすすめなのは、会社のブランドアカウントを作って運用する方法です。ブランドアカウントとは、自分のGoogleアカウントと紐づくYouTube チャンネル管理専用のアカウントです。個人で持つGoogleアカウントのように、他のGoogle サービスを呼び出す便利な機能はなく、YouTubeのチャンネル管理に特化したアカウントです。ブランドアカウントは、管理者や投稿者など権限別のユーザーを登録・管理できますので、会社のチームで、YouTubeチャンネルの管理、運営ができます。
GoogleアカウントでYouTubeにログインして自社のチャンネルの作成をしましょう。チャンネル名、アイコン画像、管理者などの設定をおこないます。チャンネル名など、設定内容は後からでも変更可能です。チャンネル「設定」では、チャンネルにアップロードする動画のデフォルト(あらかじめ決めておく)設定を登録しておくことができます。その設定は、後から変更も可能です。
YouTubeにアップロードできるファイル形式は、動画制作で標準のMP4というものです。MP4形式の他、Windowsの動画フォーマットであるWMVなどパソコンで再生できるフォーマットに対応しています。アップロードできる動画の長さは、デフォルトだと15 分。スマホなどで本人確認が終了すると、15 分を超える長さの動画をアップロードできます。アップロード可能な最大サイズは、256 GB または 12 時間のいずれか小さい方となっています。さらに、YouTubeは、4K 動画や360 度全方位動画もサポートしています。動画の縦横サイズ比率をアスペクト比といいますが、YouTubeでは、家庭用のテレビと同じ 16:9 です。これ以外のサイズや、縦長の動画は、視聴デバイスに応じて最適化されます。
こんな優秀な機能を無料で手に入れられるのですから、YouTubeを使わない手はありませんよね。
「動画の詳細」という画面でアップロードした動画を個別に設定しできます。チャンネル作成時にデフォルトで設定した場合、その情報は引き継がれます。「動画の詳細」画面の主な設定項目をみていきましょう。このような優主な機能を無料で手に入れられるのですから、YouTubeを使わない手はありませんよね。
カテゴリは、YouTubeが、視聴者に動画をレコメンドするためのジャンルの区分として評価されますので、自社の動画コンテンツにあったカテゴリを設定することで、視聴者に探してもらいやすくなります。
※YouTubeについての情報は、2021年9月上旬現在の調べです。
ご覧いただいたように、YouTubeは、費用対効果の高い動画マーケティングツールです。
「YouTubeは、よく見るし、動画配信がアップできるって知っているけど、意外とビジネス利用していない」なんてことないでしょうか?
せっかく費用をかけて動画を制作するわけですから、高い費用対効果が引き出せるYouTubeを使った動画マーケティング、検討してみてはいかがでしょうか。
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